三朝(みささ)温泉(鳥取県)、玉川温泉(秋田県)、増富温泉(山梨県)、五頭(ごず)温泉(新潟県)などのラドン温泉は、古くから湯治場として多くの方に利用されてきました。

玉川温泉


玉川温泉 岩盤浴用の野外テント    屋外でのラドン浴

秋田県の十和田八幡平国立公園の中にある玉川温泉は古くから難病に良い奇跡の湯として有名です。源泉が湧き出る大噴(おおぶき)からはラドンガスを含む霧状の湯気が上がり、辺り一帯を覆っています。ラドンガスは付近の岩盤からも放出されています。玉川温泉の特徴は、この地域特有の鉱物である北投石であり、この石は温泉の成分が沈殿したものと考えられ、特別天然記念物に指定されています。東北大学、岩手医科大学、弘前大学などにより臨床研究が行われ、その癒やし効果が評判となって、多くの人が岩盤浴に訪れるようになりました。野外テントや岩盤付近では敷物の上に寝そべりホルミシス効果を享受する人たちで賑わっています。

三朝温泉


三朝温泉               河原の湯

鳥取県の三朝温泉は世界有数のラドン含有量を誇る名湯です。岡山大学付属三朝医療センターでは長年にわたってこの温泉の有効性に関して調査研究を進めてきました。その結果、この地域はウラン鉱山の地盤の上にあり、温泉に入らなくても、ここに暮らしているだけでラドンガスの恩恵を得られ、地域住民の健康度が大変高いことがわかりました。これは土壌や岩盤から発生するラドンガスなどによるホルミシス効果により、自然治癒力が刺激されて高められたものと考えらます。この貴重な温泉は地域全体で大切に守られ、多くの人に親しまれる癒やしの湯として伝えられています。2015年に三徳山・三朝温泉は六根清浄と六感治癒の地として日本遺産に登録されました。